AIの今、日本の未来

こんにちは! 株式会社キスモの大越です。 先日こちらで開催された Midland Incubators' Meetup で登壇させていただき、 キスモの取り組みや描く未来についてお話させていただきました。

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そこで語りきれなかったことがまだまだ沢山あるので、今回はキスモの取り組みや描く未来について、「AIの今、日本の未来」と題して熱く語りたいと思います!

AIの今 Part1

そもそもAIってなに?

AIが何なのか。なんとなくすごそうというイメージを持っている方は多いと思いますが、実際の中身をわかっている人は少ないと思います。 AIの権威であり、Stanford Universityの教授でもあり、自分が一方的に師匠だと思っているAndrew Ng先生がAIの概念について分かりやすく説明しているので、それを引用させていただきます。

AIが発達する前は、コンピューターにりんごやぶどうを理解させようと思った時に、色やへたの位置や形など、1つ1つに対応したプログラムを書く必要がありました。しかもいちごとりんごのように色や形が似ているものは、新しい判断基準をプログラムしなければいけませんでした。さらに同じりんごでも、画像の明るさによって明るい赤だったり、暗い赤だったり見え方も変わるので、その対応も困難でした。

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これがAIになると、画像を大量に見せることでりんごやぶどうがどういうものか、勝手に理解してくれます。 これは驚くべき進歩で、これまでと違い、データを大量に見せるだけで画像や音、言語などを理解できるようになったのです!

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AI と世界5大企業

Google, Facebook, Amazon, Apple, Microsoftら世界5大企業は、今AI開発に本気になっています。 人材獲得競争は激しく、Facebookザッカーバーグは世界的な画像認識コンテストの優勝学生に直接会いにいって口説くほど。Googleは社として「AIファースト」を掲げ、子会社のDeep Mindを中心にAI活用に向けて爆速で動いています。囲碁のプロに勝ったAIもDeep Mindが作っており、その知名度はAI界隈ではNo1の会社でしょう。 また、Amazon EchoやGoogle Homeなどの音声AIアシスタントもついに日本で発売され、日々の生活をがらりと変えています。

例えば家に帰って音楽を聞くというシーンを思い浮かべてください。 スマホを開いて、アプリを起動し、ようやく音楽を再生。手が塞がっていたりすると荷物を置いたりと、さらに時間と手間がかかりますよね? Amazon Echo を使うとどうでしょう? 「Alexa, 音楽を流して」 この1言だけで、音楽を再生できちゃうんです! f:id:kodamayu:20171218114003p:plain 天気予報もスマホでいちいち検索しなくても「今日の天気は?」だけで教えてくれ、テレビや電気のリモコン操作も全部声だけでできてしまいます。手での操作は一切必要なし。便利ですよね!

日本の未来 Part1

音声認識

音声認識技術の進歩により実現した、音声AIアシスタント。すでにアメリカでは、その圧倒的便利さから多くの家庭で使われてているようです。

AmazonのCTOであるWerner Vogels氏は先日、今後のテクノロジーに関して「鍵となる破壊的技術は音声だ」と発言しました。 キスモも次の世の中を見据えた時に、AI技術による音声認識こそ時代を変えるテクノロジーだと考えています。今はスマホやパソコンなど指を使った操作が主流で、操作が難しく親しみ辛いところもありますが、これが音声を使ったより直感的操作に変わると、誰もが簡単にテクノロジーを使いこなすことができます。

キスモが描く音声認識の未来

キスモのミッションは「働く楽しさを、より身近に。」というもの。

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これを実現するために現在は音声認識技術を核としたコールセンター業務の自動化に取り組んでいます。

コールセンターのクレーム対応はすごくストレスがかかり、辛い仕事です。また、定型文による応対もたくさんあります。そんな部分をAIで代替して、オペレーターの方は本当に困っているお客様の対応に専念する。本来やるべき仕事に注力してもらう。ここを目指して、今は取り組んでいます。 取材や会見などの記事を執筆する際も、本来は素晴らしい記事を作る部分に注力したいところだが、まず音声を聞いて全て文字起こしする作業が入ります。この文字起こしの作業は時間も手間もかかります。これもAIで代替できる部分であり、これにより本来注力すべき記事を書く部分に集中できます。

このように人がやらなくてもいい部分や、AIができる部分はどんどんAIに任せて、人は本来やるべきことに集中すべきです。本来やるべきことだからこそ、やりがいを感じ、働く楽しさを感じられるはずです。つまらない単純作業に時間を使うことを無くしていく。そして、より楽しい仕事、やりがいのある仕事に注力する。これが、キスモがまずはじめに目指す未来です。

また、音声認識が発達した先にはもっと素晴らしい世の中が待っているでしょう。 「ホテルを予約して」と言ってホテルを予約することは現在のAIでもそう難しくありません。しかし「来週東京に出張になった」と言って、その裏でやるべきことを汲み取り、ホテルを予約してくれて、電車の時間を調べてくれて、美味しいお店をリストアップしてくれて、寒いから厚着をした方がいいとアドバイスをくれる。こんなAIが実現したら欲しいと思いませんか?こんなワクワクするような、あったら欲しくなるようなAIを今後は作っていきたいなあ、と思っています。

こうして、やらなくていいことをやってくれるAIや会話を汲み取ってサポートしてくれるAIができたらどんな未来になるでしょう? 人は本来やるべきことだけに集中でき、やらなくていいことが増える分、仕事に携わらなければいけない時間というのも必然的に減っていきます。だって、平日の5日仕事、2日プライベートって配分おかしいですよね?普通半分半分にするべきです!

つまりキスモでもこういった世の中を目指しています。描いている未来ではプライベートと仕事の隔たりはありません。働きたい時に働ける世界。その中では3日仕事して4日はプライベートを思う存分楽しむでもいいですし、半年は海外で勉強、半年は日本で仕事でもいいですし、1つの仕事では飽きちゃうよという人は3つ仕事を掛け持ちしてもいいでしょう。とにかく自由に選べる世の中です!これによりプライベートも仕事もバランスよく楽しめ、人生がより豊かに、より楽しくなっていくなあ、とワクワクしています。

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働く楽しさを、より身近に。その先にある豊かな人生。こんな世界であなたはどんなライフスタイルを選択したいですか?

AIの今 Part2

中国の加速度的な進歩

これまでは「アメリカの5大企業を中心としたAI開発が目覚ましい」というお話をしてきました。しかし、すごいのはアメリカの5大企業だけではありません。 最近は中国が驚異的なスピードでAI活用に着手しているんです! 国の1億7000万台もの監視カメラにAIを搭載されていますし、空港では顔認証AIによる検査、学食にも顔パスによる決済が導入されています。 最先端ですね!

ぜひ1度こちらの動画を見て欲しいです!

jbpress.ismedia.jp

記者の方が中国を適当に歩いて、監視カメラの映像から発見されるか試したもので、見事にAIを搭載した監視カメラにより、発見されています。 このように監視カメラAIは個人を識別することが可能で、犯罪者が監視カメラに映ったら瞬時に通知し、捕まえることができます。 これまで特定が難しかったひき逃げ犯も、監視カメラAIが車のナンバーで追跡して捕まえることができます。 今中国は世界一犯罪ができない国に、AI技術を以てなろうとしているのです!

監視カメラAIや空港での顔認証、学食での顔パス決済などこうした技術の導入スピードは圧倒的に中国が早いです。というか早すぎます…! さらにビジネスでのAI活用もさながら、研究分野でも世界を引っ張っていて、AI系の論文の発表数もアメリカと中国が常に1位を競っている状況で、進化は止まりません。

日本はAI後進国、テクノロジー後進国。悔しいですがAI企業を立ち上げた今、身をもって痛感しています。

何故中国のAI活用が進むのか?

中国のAI活用がなぜ進むのかについてはこちらの記事がとても分かりやすくまとめています。

president.jp

ここでもこちらの記事に沿ってお話させていただきたいと思います。

記事のタイトルになっている「中国のAIは"大したことはやってない"のか」についてですが、記事にもあるように大したことはやっていないでしょう。 というより、正しくはすごいAIは多くの人が作れてしまうのです。

それはなぜでしょう?

現在AIに関する研究は加速度的に進んでいて、AIで最も有名な国際学会の参加者も指数関数的に増えています。(このまま増えると2035年に全人口を超えるそうですよ)

そしてそういった最先端のコードはオープンソースで公開されています。つまり、誰でもその気になれば最先端のAIを動かすことができるのです。 これはつまり、中国も日本も技術的な差はほんの少ししかないということを示します。もしかしたら全く同じかもしれません。

では改めてなぜ中国はこんなにもAI活用が進んでいるのしょうか?

それは「現場での検証」、「データの数」この2点につきます。

まず1つめの現場での検証とはどういうことでしょう? AIの開発は基本的に検証して、精度を見て、さらにいいものに改善していきます。 f:id:kodamayu:20171218114012p:plain このサイクルを高速にたくさん繰り返すことこそ、いいAIを作るコツです。 AI企業を立ち上げてみて、感じていることとしては始める前から「精度どれくらい出るの?」「事前にわからなきゃできない」そう言った声がすごく多いということです。これが世界最先端のモデルを使っているという説明をしても、その声が変わることはありません。

これが中国では「いいよやってみよう。」に変わります。この差がAI開発においては決定的な違いになり、それが今の日本と中国のAIの圧倒的な差になっているのです。

2つ目の「データの数」も1つ目と近しい考え方になります。AI開発においてデータの量と質は性能のほとんどを決めると言っても過言ではありません。しかし、世の中にはデータが少なかったり全くないことが多いです。こういう時にも中国と日本とでは違いがあります。 日本では例のように、「精度がどれくらい出るかわからないのに、データを作る協力はできない」という声が多いです。

一方、中国では「データ?自由にとっていいよ。」と、こんな感じです。実際記事にもドローンで漁場の画像データを収集して、AIの学習に使っていると書いてありました。

日本の未来 Part2

どうすればAI活用が進むのか

先に見た日本と中国の違いはある種、国民性といってしまえばそれまでかもしれませんが、今後発展していくAIの分野においては、現場での検証こそが重要です。 この記事を読んで少しでも多くの人がAIの活用に向けてチャレンジしてくれるようになれば、嬉しいなと思います。 日本のAIを以て、海外をあっと驚かせましょう!

おまけ

どうしても描きたかったワクワクする技術の話

日本から出たことない自分にとって、アメリカから帰ってきた友人の話というのはとてつもなく刺激的で、ワクワクするような話にあふれていました。 その内容や、世界のテクノロジーは進んでいるんだぞという話をどうしても書きたかったので、ここで書きます。

まず最近デンマークが2030年に紙幣や貨幣の使用を禁止することを決めたというニュースがありました。デンマークだけじゃなくスウェーデンなど北欧の国では、現金を使う場面はほとんどありません。

これはアメリカに行った友人もそうでした。アメリカではvenmoという金融インフラをなすサービスがあります。食事の時の会計や、何か買い物をする時などvenmoで会計を行います。これの何がいいのか?

ずばり割り勘が簡単です!

大学生の自分は飲み会などで割り勘するシーンが増え、金額が合わなかったり、小銭がなくてお釣りのやりとりに困るシーンに多々出くわしました。これがボタン1つ押すだけで割り勘ができたらどうでしょう?「割り勘する」というボタンを押せば、お釣りも気にせずその場で口座から引き落とし。なんと便利なのでしょう! サークルなどの集団における買い物の会計も全てvenmo上で管理し、メンバーにボタン1つで請求することができます。

"venmo me!"

日本ではググるという言葉が普通に使われますが、アメリカではこの"venmo me!"という言葉が普通に使われます。ようは「venmoでお金送っておいて」ということです。 日本はまだまだ法規制とかがあるらしく、実現はまだまだなのかなと感じます。しかしこんな風に誰もが使う金融インフラでボタン1つでお金のやりとりができる未来がきたら、とても便利になりそうで、とってもワクワクしますよね!

venmo.com

また、中国では"WeChat"というサービスがあり、名刺を使わない文化が広まっているそうです。このサービスはいわゆるビジネスチャットのサービスですが、名刺がわりにIDを交換し、仕事のやりとり、書類のやりとり全て"we chat"上で行うそうです。

起業して名刺を渡すシーンが増えましたが、「こんなサービス欲しい!」と日々感じています。まだまだ名刺文化というのは無くなりそうにないですが、いつかそんな世界がきたら、今よりも仕事のやりとりが簡単にでき、そこのコミュニケーションにかかるコストが激減することで、本来必要な仕事の速度が高まっていくと感じています。

www.wechat.com

こんなにテクノロジーが浸透している世界で、日本が今のままでいいはずがありません。

より良い未来、より豊かな未来のためにキスモも活動を続けていきます。

reference

ザッカーバーグ自ら学生を口説く? 米国で激化するAI人材争奪戦

今後は音声を使った人間中心のシステムが主流になる--アマゾンCTO